ARTIST VOICE
Q:応募のきっかけは?
A:仕事のつながりで Brillia Art Award のことを知った友人が、紹介してくれたのがきっかけです。作品募集のページで趣旨と展示空間の画像を見て、機会があれば実現したいと長い間考えていた作品に挑戦できそうだと感じたので、応募を決めました。
Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:以前に取り組んだプロジェクトで、〈建物〉と〈本〉の関係性を考え、小さなスケール感で〈建物〉の内部に〈本〉を寄生させたことがありました。その経験を元にしながら、とにかく「THE GALLERY」の形状をガラスの外から観察し、周辺の街の様子も観察しながら、東京建物八重洲ビルに〈本〉を寄生させる方法を考えました。
Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:〈本〉と〈建築〉の境界線になっていると感じる〈スケール感〉に迫ってみたいという想いで制作しました。作品の構造は木で、テクスチャーは紙で作り、〈本〉と〈建築〉の境界を追究しています。
作品の中で引用されているウィリアム・モリスの言葉は、僕の制作活動の原点になっている言葉で、制作の根元にあるものを改めて意識しながらも、新しい表現に挑戦しようという気持ちで取り組みました。
Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:新しい作品に挑戦できたことが率直にとても嬉しかったです。これまでに制作してきた作品と、それをもって思い描いていたものが、現実につながった感覚を得られました。特に、作品の細部は準備段階から把握できていましたが、この “Book Para-Site” が八重洲の街の中に息づく様子は、完成して初めて見ることができたので、ほっとした気持ちと、またこれを発展させていきたい気持ちを感じました。今回の貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、この経験をまた次の制作へと生かしていきたいと思います。